2006年3月20日月曜日

カメラロボット−キヤノンA-1

私が最初に買ったカメラはキヤノンA-1でした。当時の「デジタルと言えば最先端」というイメージを最前面に出し、5モードAEを搭載して「絞り優先か」「シャッタースピード優先か」という議論を封じ込め、秒間5コマ撮影可能なモータードライブをオプションに用意した、キヤノンの技術の結晶という印象がしたものです。いま考えれば、当時ではプロユースとしても使えそうなスペックですが、「電池が無くなると撮影不可能(電池の消耗が激しい)」「プラスチックボディを採用」というネガティブな印象があだになって、アマチュア以外には浸透したという雰囲気がありません。

当時は「プロは電池が無くても使える機械式シャッター搭載が必須」「プロは金属製ボディを使う」という“常識”が人口に膾炙していました。(今にして思えば一種の都市伝説?)

また、その後も売れたカメラは相変わらずキヤノンAE-1(およびその後継機のキヤノンAE-1プログラム)のようです。
現在、デジタルカメラの時代になって、電池無しでの撮影ができないのは当たり前、エンジニアリングプラスチックの採用も当たり前ですが、ちょっと先走り過ぎのキヤノンをある意味象徴するような機種だったとも言えます。
このA-1はまだ私の手元にあり、問題なく動作していますが、修理も不可能な機種です。大事に使って行こうと思っています。

「プロスペックのカメラ」は、例えばキヤノンF-1がそうだったように機械式シャッターを搭載し、金属製ボディで作られています。プロ用の機種はどちらかと言うと保守的に設計されますから、当時の時代の境界(デジタル化、電子化、新素材の使用の移行期)ではあり得た現象でした。それを逆に捉えて、プロの使う機種という条件が語られるようになったのではないかと思います。
そもそも、プロでない人たちがプロ機材について議論しても無意味な気もしますが、当時はそういう時代でした。
因に現在は、プロよりすごい機材を持っているアマチュアの方はたくさんいらっしゃいます・・・。

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