2006年5月21日日曜日

第29話 一筋の光

チャンドクの「私にお任せ下さい」という言葉に驚くチャングム。かまわずチャンドクは、チャングムを引き取る。まず、薬房で丸薬を作るように指示する。チャングムは丸薬をかじって、それがただの穀物を丸めたものであることに気づく。その時、ミン・ジョンホが薬房を訪ねて来る。チャングムは、チョンホが内禁衛を辞し、済州島の水軍の武官になったことを知る。そこに、通りかかった男からチャングムの無礼を咎められる。奴婢の身分で、水軍の武官に面と向かって話してはいけないというのだ。足早に立ち去るチャングム。薬房では、チャンドクが金持ちの患者に丸薬を高値で売りつけていた。呆れるチャングム。チャングムは、丸薬が特効薬などではなく、何で作ったかを言い当てる。チャンドクは感心し、作業場に強引に連れて行く。麦門冬の芯を抜けというのだ。チャングムは涙を流しながら作業に取りかかる。
一方クマンは、チャンドクと何やら相談している。非番の兵士を使って何かの建設をしているらしい。また、材料費と食事代はチャンドクが出しているようだ。翌日チャングムは、チャンドクから熟地黄を蒸す作業を命じられる。チャングムの抗議も意に介さない。他の奴婢は、麦門冬の芯を抜く作業でチャンドクから咎められなかったのを不思議に思っている。作業場でチャングムは、ハン尚宮の、人の口に入るものは何があっても手を抜いてはいけない、という教えを思い出していた。その時、チョンホがチャングムを訪ねて来る。チョンホと話しているところを咎められたので、顔を上げずに話すチャングム。寂しそうなチョンホ。用は何かと聞くチャングムに、硫黄を持ってきたと言う。顔を輝かせるチャングム。チャングムも、硫黄アヒル事件の解明をしようと思っていたと話す。

カン・ドックは、硫黄アヒル事件以降、引き取り手の無いアヒルを使って毎日アヒル料理を作って食べていた。呆れるナジュテクにかまわず、硫黄アヒルの無害を身をもって実証しようと言うのだ。その時、ナジュテクが吐き気を催す。何と、ナジュテクが妊娠していた。硫黄アヒルは、逆に体に良いと認識する二人。ヨンセンはトックからナジュテクの妊娠を聞き、硫黄アヒルに問題は無いことを改めて確信する。ホンイに、試食の時に他に食べたものは無いか尋ねる。ホンイは、ヨンノからアワビの甘露煮をもらって食べたことを思い出す。ヨンノが怪しいと言うヨンセンだが、ミン尚宮はそれどころではないと言う。閑職に追いやられていることが問題だと言うのだ。
王は、明国からの使者を迎えて食事をしている。明国の使者は、前回の使者から水刺間に優れた料理人がいると聞いているが、それはこの者たち(チェ尚宮たち)かと尋ねる。何も言えない一同。
クミョンは、チェ・パンスルの部下からチョンホが済州島に渡ったことを知らされる。そこにパンスルがやって来て、チョンホを生かしておきさえすれば、チョンホを忘れるはずだったと念押しされる。
懐妊中の側室の料理の担当をしているミン尚宮たちのもとに、クミョンがやって来る。食が進まないので、献立を変えてはどうかというのだ。ヨンセンがそれに反論する。側室にふさわしい献立を食べ易く調理するべきだ、それがハン最高尚宮の教えだったと言う。そこにチェ最高尚宮がやって来て、謀反人の名前が聞こえるのはけしからんと言う。ヨンセンは、例え謀反人でも料理で間違ったことは教えていないと反論する。
チェ最高尚宮を怒らせてしまったミン尚宮たちは、白装束で最高尚宮の部屋の前でお詫びをする。意に介さず出入りするチェ最高尚宮。ミン尚宮は、ヨンセンも詫びるように言うが、ヨンセンは拒否する。戻ってきたチェ最高尚宮は、ミン尚宮たちの部署替えをすると言う。与えられたのは、もやしを育てたり油を搾ったりする仕事だった。ミン尚宮とヨンセンは、こうなったのもヨンセンのせいだと責める。ヨンセンはいたたまれず外に出る。そこに一匹の犬がやって来る。犬を抱くヨンセン。
チャングムは、他の奴婢たちに薬草を正確に分類して教えている。それを見たチャンドクは、医女にならないかと誘う。チャングムはそれを断る。その場に急患の知らせが来る。チャンドクはチャングムを連れて患者宅に急ぐ。患者の家では、子どもが皮膚病で苦しんでいた。しかし、チャンドクは薬の処方をしない。貧しい患者の家では、薬代を払えないからと言うのだ。それに憤慨したチャングムは、チャンドクから処方箋をもらい出て行く。にやりとするチャンドク。その足でチャングムは、チョンホに会いに行く。薬を買うので、チョンホに金を貸してほしいというのだ。チョンホが金を渡すと、チャングムは、クマンとチャンドクが何やら企んでいるらしいと報告する。薬を調達して患者宅に戻ってきたチャングムだが、水に塩分が混じっていて煎じることができない。わき水が出ている場所に行くが、係の人間から身分の低い者に分ける水は無いと、乱暴に追い返される。チャングムは、道行く人からイルラ山の中腹にわき水があると聞かされる。水瓶をもって水を汲みにいくチャングム。近くにチョンホも来ていて、チャングムと出会う。クマンが兵士を連れてどこかに行くので、つけてきたと言うのだ。クマンはチョンホたちを見つけて、事情を話す。島には真水が少ないので、雨水を濾過する施設を作っていると説明する。その場にチャンドクがやって来て、金持ちから巻き上げた金で建設していること、外敵から島を守ることも大事だが、病気にならないよう民を守ることも大事だと話す。チャンドクを見直すチャングム。
チャングムは、水を持って患者宅に向かう。チャングムは薬を煎じながら、チャンドクがどういう人格の人間なのか、推し量っていた。薬を持って患者の部屋に来たチャングムは、チャンドクから病気はかかってから直すよりも予防する方が大事だと聞かされる。
ある日チャングムがチャンドクに連れられていった往診先は、流刑者の住まいだった。見張りの兵士をかいくぐって治療してしまう。その結果として、チャンドクは蔵に閉じ込められる罰を受ける。事情を知るチャングム。翌日、チャンドクに役所から呼び出しがかかる。チャンドクを内医院に迎えるというのだ。それを断るチャンドク。しかしその話を聞いてチャングムは、医女になれば宮中に戻れる可能性があることを知る。チャングムはチョンホのもとに走り、医女になると宣言する。
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今回はヨンセンが強いです。しかし、ミン尚宮たちの立場がますます悪くなっていきます。ヨンセンは、ミン尚宮たちに責められて、外で明国の犬と出会います。この出会いがヨンセンの運命を変えます。ところで、明国の使者の「優れた女官とはこの者たちか」と言ったのは強烈な皮肉でした。
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今週の名言
「病気にかかってから直すよりも、病気を予防する方が大切」
皮膚病にかかった貧しい子どもの患者の家で、チャンドクがチャングムに言った言葉。予防医療の考え方ですね。同じチャンドクの、「外敵から国を守ることも大事だが、民を守ることも大事」という台詞も名言でした。今回はどちらにするか迷いました。

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