2007年1月1日月曜日

NHK問題

NHKの番組「第57回紅白歌合戦」が批判を受けていますが、問題の本質が見失われているように思えてなりません。結論から言えば、NHKは国営放送にするべきなのです。

NHKは税金的性格を持つ受信料を集めていますが、国会で予算の承認を受けるものの、受信料収入はNHKの事業のみに使用されます。これは、特定財源と特殊法人との関係と同じで、運営がどうであれ、私たちが選挙で選んだ代表が直接NHKに口出しできない構造になっています。
これはもちろん、第4の権力としての言論機関が、政府権力から距離を置いて、批判的立場から3つの権力(司法・行政・立法)を牽制する役割を期待されているからで、それなりに意味を持っていました。しかし、実際は、与党の政治家からの影響力が大きいわけです。
つまり放送法の趣旨であるところの、受信料による番組制作によって、時の権力からの独立性を担保するという期待は事実上崩れているわけです。
それなら、今までのような水面下での影響力を及ぼすようなやり方を改めて、国会の場で堂々と議論の俎上に載せられるようにすべきです。
また、NHKの役割として、コマーシャリズムに左右されない放送コンテンツの制作が挙げられることもあります。例えば、伝統芸能や演歌など、視聴率が期待できない内容です。ただ、これは大変皮肉なことですが、「第57回紅白歌合戦」で批判を浴びたDJ OZMAはどう考えても多くの視聴者の支持を得られるコンテンツではないと私は思います。その意味では、NHKはNHKの本来の役割に沿って、DJ OZMAをお茶の間の視聴者に紹介したわけです。しかし、マイナーであれば何でもOKというはずも無く、NHKのあり方について直接関与もできない現状では、税金的性格を持つ受信料を取られるだけで制御不能なモンスターになってしまったと言えなくもありません。
日本は戦前と違って民主主義国家なのですから、選挙で選ばれた国民の代表がNHKの運営に関与するということに、大きな問題は無いと考えます。
その他の論点には以下のものがあります。
・放送法にいう「あまねく全国に放送する」NHKの役割は、民間放送、衛星放送、CS放送、ケーブルテレビ、インターネットの登場で意味を失った。
・視聴率の期待できないコンテンツは放送以外の手段で世の中に紹介できる。例えばインターネットなど。

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