2008年1月7日月曜日

21世紀の文明は文字を持たない?

私が常々感じていることですが、私が作成した文書や図表がいつまで“保つ”のか心配です。例えば、私はいまだに5インチの2Dフロップーディスク(FD)を持っていますが、それを読み取るドライブはもはやありません。そのFDには、CP/Mで動くCやPascalで書かれたプログラムが収まっています。あるいは、ワープロソフト(Super春望)で作成した文書もあります。それらを開くことはできないのです。これは僅か20年前の話。


「デジタルで記録する」ということが、データが劣化しないので無限に情報が存続すると勘違いしていたのはつい最近までの話で、例えば最も普及しているCDの寿命も30年程度、どんなに長く見積もっても100年は保ちません(これは保存状態による。窒素封入した乾燥環境ではもう少し保存期間が延びるかも知れません)。
いや、デジタルだけの話ではなくて、私はいまだにβマックステープを持っていますが、いつまで再生可能な環境が続くのか・・・。映像記録だけでも、β、VHS、8mm、DVDと色々なフォーマットが出てきていますが、いまやブルーレイかHD DVDかという話。下位互換性を考えないわけではないのですが、やはり限界があります。
そして、いまやWeb 2.0とか言われる時代。私に言わせれば、Web 2.0の定義は「ローカルにデータを持たない」情報登録形式。ブログやSNSが代表格ですが、一所懸命(?)入力した文書や写真も、サーバーが壊れたり、運営会社が潰れればそれまでです。あるいは、本人が死亡してしまって、料金を払えなくなれば(場合によっては更新が途絶えて規約により)その時点で消去。
もしかして1,000年後に今の時代を発掘する考古学者がいたら、紙は酸性紙で跡形も無くなっているし、CDは加水分解でボロボロ、意味不明な金属とプラスチックの塊を見て、「21世紀の文明は文字を持たなかった」と結論づけるかも知れません・・・。一部が中性紙で印刷されているので、少しだけ残り、「ただし、一部の特権階級は文字を使った可能性がある」と。これではマヤ文明です。
そんなことを考えていたら、普及しているMicrosoft Office 2003でSP3(サービスパック)を当てると古い文書が開けなくなるという現象が起こることを知りました。ますます環境は厳しくなっていくわけです。
この文章そのものも、私がPlalaとの契約を何らかの理由で解除すれ(されれ)ばその時点で存在しなくなってしまいます。
WIRED VISION
『Office 2003 SP3』の「古いフォーマット排除」問題
http://wiredvision.jp/news/200801/2008010623.html
鬼籍のマイミク
http://wiredvision.jp/blog/yomoyomo/200804/200804301000.html

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