2006年6月4日日曜日

第31話 初めての鍼

チャングムが医女になるべく修行している頃、カン・ドックは済州島に出かけようとしていた。チャングムを訪ねようと言うのだ。ナジュテクとすったもんだした後、出立するトック。
また、チャングムがチャンドクのもとにに弟子入りして2年が経ったものの、チャングムの知識は十分なのに、鍼を打つ事ができないでいた。鍼の練習でチャンドクに鍼を打った時、失敗してチャンドクを危険な目に遭わせたからだ。そんなチャングムに、チャンドクは洞窟での過酷な修行を命じている。そこにチャンドクから呼び出しがかかる。チャンドクは、チャングムに患者の診察を命じる。的確な診断を下すチャングム。そしてチャンドクは、鍼を打つように言う。チャングムは試みるが、どうしてもできない。代わりに鍼を打ったチャンドクは、チャングムに「最初からやり直し」と言う。
ミン・ジョンホはチャンドクに、チャングムに対して厳しすぎないかと注文を付ける。チャンドクは、鍼を打てないのはチャングムが自分を許せないからで、自ら解決するしか無いと言う。また、それまでの期間が長ければ長いほど、人の命の大切さが分かるとも言う。
その後チャングムは、チョンホに人の命を助ける医術と、復讐を成し遂げる事の両立が難しい事を打ち明ける。チョン・ウンベクの「怒りの心で医術はできない」と言ったのは正しく、自分が傲慢だったと言うのだ。しかし、ハン尚宮の無念を晴らさないわけにはいかないとも言う。

ある日チョンホは、済州島の行政官から、牛島の放牧場の馬を献上するための護衛に行ってほしいを命じられる。チョンホは済州島の防備が手薄になるのを心配するが、行政官は意に介さない。また、牛島の兵士の多くが体調を崩しているので、医女のチャンドクも同行させると言う。
チョンホたちを見送った薬房の奴婢たちは、チャングムにこれで羽が伸ばせると言う。しかしチャングムは、患者が出たときは他の医者に頼むようにと言う。訝しがる奴婢たち。チャングムが患者の面倒を見ているところに急患が運ばれて来る。渋々向かったチャングムが見たのは、島にやって来たトックだった。酷い船酔いになったらしい。鍼を打つ準備をしたチャングムだが、打つ事ができない。結局、灸を据える事にする。しばらくして容態の回復したトックと再会を喜ぶチャングム。水軍の当直部屋に移動した二人は、近況を知らせ合う。硫黄アヒルの無害と効能を知ったチャングムだったが、宮中の様子は、トックが熟子を辞めさせられたため分からない。
その夜、海岸に倭冦が侵入して来る。手薄になった警備を突いて、あっという間に役所を占領してしまう。ほとんどの住民は山に逃げるが、逃げ遅れた住民と兵士が捕まってしまう。しかし、行政官はいち早く逃げ出していた。
翌日、倭冦の隊長が医者を捜している。指揮官が病気らしい。倭冦の隊長は、医者はいないかと捕虜に尋ねるが、誰も答えない。ムチで打ってしゃべらせようとしたところ、チャングムの名前を出した者がいた。やむを得ず名乗り出たチャングム。倭冦の隊長に連れられて、指揮官の治療に当たらされる。的確な診断を下したチャングムだったが、どうしても鍼を打つ事ができなかった。倭冦の隊長はチャングムを再び捕虜の前に連れて行き、治療しないなら捕虜を一人ずつ殺していくと言う。まずトックが処刑されようとした。さすがにチャングムはそれを止め、鍼を打つ事にする。何とか鍼を打ち終えたチャングムは、薬を煎じるので使いを出したいと言う。
薬房の奴婢が持ち帰った薬を開けようとしたチャングムは、中に手紙が入っている事に気づく。慌てて使いの奴婢に確認すると、チョンホたちが狼煙を見て済州島に戻っているらしい。チャングムは返事の手紙を書いて届ける。
翌朝、チャングムを連れて倭冦の兵が出立しようとしたとき、チャングムが足りない薬草があると言う。倭冦の隊長は渋々調達する事に同意する。役所の近くの薬草畑に向かい、兵士たちに摘み取らせる。そのとき、チョンホたちの水軍が倭冦に襲いかかる。激しい戦いの末、倭冦を撃退する。事態が収まったところで、チョンホはクマンを厳しく叱責する。その場に行政官が戻ってきて、自分も反転攻撃しようとしていたと話す。
その夜チョンホは、トックと酒を酌み交わす。トックのホラ話をにこやかに聞くチョンホとチャングムだった。その後チョンホは、チャングムが一歩ずつ前に進む毎に苦しくなっているように思える、いっそこのまま済州島にいればいいと言う。チャングムは、チョンホが自分をありのまま見てくれるので幸せだと答える。
翌日、チャンドクはチャングムに、生き物の毒を使った治療法を教えると言う。チャングムにその資格があると判断したのだ。しかし、そこに役所から呼び出しがかかる。出頭したチャングムは、取り調べのため連行されると告げられる。敵である倭冦の指揮官を治療した罪を問うというのだ。
   ☆
チャングムは鍼の練習で失敗して、チャンドクを危険な目に遭わせて以来、鍼を打てなくなっていました。それを克服したのが敵の倭冦の指揮官に鍼を打ったことがきっかけというエピソードです。この事がチャングムに大きな転機を迎えさせます。しかしそれにしても、今回のエピソードは分かりにくいです。チャングムが、トックが殺されかけなければ治療しなかったと言ったり、倭冦が兵士を付けずに薬房の奴婢を使いに行かせたり。つじつまを合わせるために、物語に無理が生じたのでしょうか。
因に、原語では倭冦の隊長たちは日本語で台詞を話しています。変な日本語ですが、韓ドラでは無条件に日本(人)は悪役ですね。(史実では、倭冦=日本人では無いですけど)
   ☆
今週の名言
「誰にでも最初はある」
倭冦の隊長がチャングムに鍼を打つように言ったときの台詞。単刀直入、その通りですが、チャングムがこの葛藤を乗り越えてから飛躍します。

0 件のコメント:

コメントを投稿