2006年11月4日土曜日

温故知新

10年以上も前の話、「全国ニューメディア祭」というものが開催されていました。たまたま、高知で開催された時に寄稿文を寄せていたのを見つけて、読み返してみました。今でも十分通用する内容です。
鋭い指摘だった、と自慢話に終わればそれまでですが、10年経っても状況があまり変わっていない事の方が問題かも知れません。
同時に、私は評論家ではないので、ではどうすべきだったか、もう一度自問してみたいと思っています。


以下、原文のまま引用
メッセージ
「全国ニューメディア祭'95 in こうち」に寄せて
まずは、「全国ニューメディア祭'95 in こうち」の開催をお慶び申し上げます。このフェスティバルが、高知県や地元の住民、ひいては日本にとって実りある成果をあげることを期待しております。
ところで、高知はいわゆる“いなか”として位置づけられますが、20世紀の文明の定義における“いなか”とは、人と物流の田舎、すなわち物質過疎状態と捉えることができると思います。しかし、21世紀の文明は、モノだけではなく情報の果たす役割が主役になっていくと考えます。この意味では、高知が21世紀も“いなか”のままなのか、そうでないのかは、今後の取り組み次第と言えるのではないでしょうか。現在も高知県は、高速道路の建設や、その他のプロジェクトを抱えて、いわゆる「開発」が進んでおりますが(またその気持ちも分からなくはありませんが)、そうやってせっかくの高知の豊かな自然を破壊し、「情報」と言えば入ってくるだけ、という状態になれば、次の100年間もこのまま“いなか”であり続けることでしょう。私は、高知にある豊かな自然と、20世紀型文明にある程度毒されていない風土が、21世紀の情報発信の貴重な資源になると考えています。こういう点で今回のフェスティバルが、高知が「情報過疎」に陥らないため、何が本当に重要で、何を今後しなければならないかを考える、良い機会になればと思っています。
システムデザイナー
フォトグラファー
森  正

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