2006年12月31日日曜日

科学的方法

年末、大晦日に密かに楽しんでいた番組は、「ビートたけしのTVタックル−超常現象スペシャル−」(テレビ朝日系)でした。「チュパカブラ」(架空の吸血獣)や「フライイング・ヒューマノイド」(人間が飛行しているように見える映像)など、怪しいアイテムも生み出しています。また、大槻教授と火星の住民票を持っていると主張するオジサンのバトルもばかばかしくて面白い。

しかし、今年は放送が30日になり、内容も(全部見たわけではないですが)レベルダウンしていました。この番組の貴重なところは、大槻教授が「超常現象」を解明して行くプロセスが紹介されたところ。
他の科学番組と称する番組は、基本的に江戸時代の平賀源内の実験と何ら変わるところがありません。つまり、「こんなに不思議な現象があります、驚いたでしょう!」という程度のもの。それに比べて、TVタックルでは、超常現象の証言を聞き、あるいは現場で検証し、推論を立て、実験で確かめる、そういう科学的アプローチが十分とは言わないまでも紹介されています。
理科や科学に対する理解を養うために、まず興味を引きたいという気持ちも分からないではないですが、正統的手法を見せるという本来のあり方を紹介しないと、実は何の意味もないわけです。この番組は、その数少ない事例でした。
ところで、小泉前首相の政策の流れで、科学・技術も金儲けに直結しないと予算が確保しにくい状況になりつつあります。その方向性は分からないではありませんが、一方で、科学や理科の考え方をきちっと教える場を学校でも社会でも用意しないと、日本はますます沈没しているばかりではないかと危惧しています。
ゆとりの教育や、教育基本法をいじる(ほとんど神学論争にしか見えない)のも結構ですが、政策を考える方々には、来年こそは問題の本質に迫って欲しいと思います。
  ☆
さて、今年もあと数時間で終わりです。このブログは必ずしも多くの方にご覧頂いているわけではなかったですが、「読んでますよ」「面白かった」と言われることも、タマにあります。それを励みに、来年も続けて行こうと思います。今年は良いニュースばかりではなかったですが、来年、みなさまにとって幸多い年でありますことを祈念しております。

0 件のコメント:

コメントを投稿