2007年2月10日土曜日

東洋町の「放射性廃棄物最終処分施設」建設調査応募問題

高知県東洋町の町長が、突然高レベル放射性廃棄物最終処分施設の建設調査に応募したというニュースが報じられ、町長に批判が集まっています。批判のもとは、町長が議会や住民に事前の相談も無く“独断で”調査応募した点ですが、このことに対し、町長は「高度な政治的判断」と回答しています。

私は、個人的には原子力発電に批判的な立場ですし、どうしても地層処分するというなら、最大の受益者である東京都、例えばお台場に建設しろ!という考え方ですが、この件を通じて見えてくるのは、地方の自治体が抱える財政問題と国との関係です。
東洋町もご他聞に漏れず、自主財源の何倍にも相当する借金を抱えており、それを償還する名案も無いのが実情です。町長が、応募するだけで(実際に建設するかは別問題)年間10億円もの補助金が出ると聞いて、財政立て直しの手段として考えたのもあながち非論理的とは言えません。その手法はともかく、まるで町長が悪行非道の輩であるかの非難はあたらないと思うのです。
東洋町に限らず、財政問題を抱える自治体は全国各地にあります。これは、「地方の時代」と称しながら、実際には地方を切り捨て、地域間の格差を拡大させてきた政策の失敗であるとしか言いようがありません。その上、苦しくなった自治体に、補助金をエサにしていわゆる迷惑施設を押し付ける手法が果たして正義に叶うものか、大いに疑問です。
私は、この件を機会に、国と地方のあり方についてもう一度考え直してみるべきと思っています。
毎日新聞
放射性廃棄物最終処分施設:高知・東洋町、建設の実現は不透明 地元反対で中止も
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070126ddm003040049000c.html
高知新聞
「なぜ急ぐ」「財政厳しい」賛否二分 核廃施設問題
http://www.kochinews.co.jp/0702/070210headline01.htm#shimen1

1 件のコメント:

  1. 年間10億なら僕の家の庭に作ってくれないかな。

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